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紳士靴の全底交換になります。しばらく履かずにしまっていたところ、靴底にヒビが入ってしまったそうです。
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靴底全体がウレタンの加水分解により非常に脆い状態になってしまっています。このまま歩く事はできませんね。
補強をあてて直す事は無理なので、新しい靴底を作ります。
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まず底を剥がしました。まだ貼り付いて残っていますので、ここから更に除去していきます。
劣化したウレタンは酸化して酸性になっているそうなので、今回は重曹を溶かした水(アルカリ性)に靴底を浸して中和させてみたりする方法を試してみました。
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何とかここまで除去できました。周りにぐるっとウェルトを巻き付け、新しい底を貼ります。
今回はしなやかな素材として神戸カステラ板を靴底に採用しました。
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接着だけでは剥がれる可能性がありますので、底縫いを行いました。
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スポンジ素材は軽くて歩きやすいですが、耐久性はどうしてもゴムより劣りますので、前面には耐久性のあるすべり止めを貼りました。底縫いの糸の上に貼りますので歩いた時に摩耗して糸が切れるのを防ぐ効果もあります。
かかと部分には厚みがあり耐久性のあるゴム素材を使用しました。
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完成です。こちらの靴は元々靴底にシャンク(靴の骨となる鉄製の芯)が使われていない履き心地の良い作りになっていましたので、今回は柔軟性を損なわないように柔らかな素材を使用しました。
地面に触れる部分には耐久性のある材料を使い、長持ちするようにしています。
アッパーの革はまだ全然傷んではいませんので、新しい靴のようにガンガン履いていただけると思います!